HONDAスーパーカブ 1958年-

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ちいさな怪物、昭和のロングセラー
ホンダスーパーカブ累計9千万台

 ヨーロッパが発祥の【二輪車文化】。自転車はフランス人、イタリア人のこころの支えだし、オートバイはイギリス人、ドイツ人が好きな乗り物だし、精神的な意味合いも持つ。日本ではこのふたつは、どう言う訳か自動車より格下にいつもみられていた。自転車が車道を走らずに、歩道を走る国は、珍しいだろう。これもこうした文化の違いからだ。

 二輪車HONDAの名を世界に轟かせたのが、イングランドとアイルランドの間にあるマン島でのツーリスト・トロフィー・レースだ。イギリス王室属国のマン島で、市販車と同じマシンで一般公道を使って開催される歴史あるオートバイレース。オートバイはドイツ、イギリスの主力産業と呼ばれていた時代がある。

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 このレースで1960年代ホンダ車が優勝、ホンダ車が上位を独占したのだ。ホンダにつづき、ヤマハ、スズキがその後つづいてレースで上位に。ついには日本のオートバイばかりがこのマン島TTレースを独占したものだから、ヨーロッパ人から反感をかったのも事実だろう。戦後の日本の工業製品の発展により起ってしまったことだが、これには多大に戦争に負けた側の通貨がレートが安くなってしまい、その分同じコストでおなじ様な商品を作っても海外ではコストパフォーマンスが高くなり売れてしまうという事実があるからだろう。

 そして技術の工夫、団結力は日本の強さが目立つ分野。それはレースの現場でも起ること、パフォーマンスが高いのだ。ホンダオートバイの活躍が、バイクはホンダという宣伝効果をもたらした。こうして得た資金で早く走るオートバイの技術は、庶民の足になる実用バイクへと転用される。昭和の時代、仕事を支えたのがこのスーパーカブだろう。バイクのことを知らない人でも、新聞配達のバイクと言えばピンとくる。今でも生産されていて、私たちの生活を陰ひなたで支えてくれている。

自転車にエンジンを付けたモペット型バイク、ホンダカブ号Fタイプ

自転車にエンジンを付けたモペット型バイク、ホンダカブ号Fタイプ

 そのはじまりは、1952年に自転車に補助エンジンを取り付けた『ホンダカブ号Fタイプ』写真↑が静岡・浜松の50坪たらずの工場で生まれた。今の時代の電動アシスト自転車に似ているオートバイと思ってもらったらいい。しかし、これは荷物を載せるとパワー不足で実用的でない。そこで開発されたのが、50ccエンジンの『スーパーカブC100』。4サイクルの耐久性と燃費効率の良さ、そしてなにより使いやすさで今も世界各国で愛されている。

 スーパーカブより前に、ビジネスバイクの原型ともいえるチャンネルフレーム車のホンダドリーム号1949(昭和24)年の展示、真ん中写真は若き日の本田宗一郎氏、横は工場写真

スーパーカブより前に、ビジネスバイクの原型ともいえるチャンネルフレーム車のホンダドリーム号1949(昭和24)年の展示、真ん中写真は若き日の本田宗一郎氏、横は工場写真

 ステップスルーで女性にも乗りやすく、自動遠心クラッチを持つカブは、女性だけでなく年配者にも抵抗なく乗れるオートバイとなり大人気となった。そしてこのスーパーカブのスゴい点は、故障しない、してもすぐに直せる。いまでも設計当時の独創的なオートバイスタイルは健在で、なにより人気がある。「人にやさしいバイク」をつくろうとした本田宗一郎さんの気持ちが、いまも健在なのだろう。

 スコッチバーのオーナーがイギリスAJSのバイクを意識して、改造したHONDASUPERCUB.

スコッチバーのオーナーがイギリスAJSのバイクを意識して、改造したHONDASUPERCUB.

どこにもない新しい乗り物
今でも進化し続けるスーパーバイク

 今でこそ、オートバイといえば日本。いまやこのオートバイという固有名詞も死語になりつつあって、バイクだが。このバイクという言葉は日本では自動二輪車にも、自転車にも使うので、その使われる場において判断しなくちゃいけない。ライバル同士だったホンダとヤマハがバイクで提携をしたというニュースが2016年秋飛び込んできたが、同じく静岡にはスズキがあり、兵庫にはカワサキのバイクがある。そして大型バイクではアメリカ・ミルウォーキーのハーレーダビットソンは今でも憧れのバイクだ。

 どうしてもオートバイのイメージがアウトロー的。自転車もそうだと言われている。自転車好きの真のロッカー・忌野 清志郎さんやオートバイ好きの岩城滉一、福山雅治さんのイメージ。ロックのイメージで世間を斜にみている、だけど庶民の足であることは事実。だけどお上品ではない、と言うことだろうか? この国では市民権が低いバイクだけどミニバイクは老若男女問わず、足がわりに人気は高い。あの映画『ローマの休日』のイタリアのベスパのように、彼女を後部シートに載せて走るカッコいいスクーターが今の時代もあればなぁと思うのは私だけだろうか、、デザインはイタリア、中身のエンジンはホンダ+フレームはヤマハのスクーターなんて欲しいなぁ。

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